日本での盗聴や盗撮に関する法律

現在の国内法では【盗聴罪】や【盗撮罪】という名称の法律はありません。

但し、国が盗聴や盗撮行為を野放しにしているということではなく、迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反など、他の刑法によって対応可能なことから敢えて対応法を作る必要がないと判断しているからとも考えられます。

盗聴や盗撮に関する法律

盗聴被害に遭われている場合、加害者にどのような法律が適用される可能性があるのかをご紹介しましょう。

  • 住居不法侵入罪・建造物侵入罪

    刑法第130条(住居侵入等)
    正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

  • 器物損壊罪・建造物損壊罪

    刑法第261条(器物損壊等)
    前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

  • 電波法違反

    電波法 第五十九条(秘密の保護)
    何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第四条第一項又は第九十条第二項の通信たるものを除く。第百九条において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。

  • ストーカー防止法違反

    ストーキングを目的とした盗聴を行った結果、またはストーキングの過程で、同一の者に対し、つきまとい等(第一項第一号から第四号まで及び第五号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復して行うようなことがあれば、ストーカー行為等の規制等に関する法律が適用される可能性があります。

  • 脅迫罪

    盗聴に知り得た内容をもって当事者を畏怖させるなど、脅迫行為を行った場合、刑法222条(脅迫罪)にて罪に問われる可能性があります。

  • 強要罪

    盗聴に知り得た内容をもって当事者に対し、権利の行使を妨害し、義務なきことを強制した場合、刑法223条(強要罪)にて罪に問われる可能性があります。

  • 迷惑防止条例違反

    各都道府県によって内容などに違いがあるもものの、盗撮行為を規制しています。

  • 軽犯罪法違反

    軽犯罪法第1条 二十三
    正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者。
    左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

  • リベンジポルノ防止法違反

    私事性的画像の提供等による被害の防止に関する法律
    (1)公表罪
    第三者が撮影対象を特定することができる方法で、私事性的画像記録(物)を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者に対しては、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
    (2)公表目的提供罪
    (1)の行為をさせる目的で、私事性的画像記録(物)を提供した者に対しては、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金。

  • 児童ポルノ規制法違反

    児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
    第七条 5 前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。

盗聴や盗撮をしようとする時の法律

浮気調査などを目的とし、自身で浮気の証拠を確保する為、盗聴や盗撮をしようとする時にはどのような行為が違法になるのか理解しておく必要があります。

  1. 盗聴器や盗撮器を購入しても犯罪ではない
  2. 自分が住む家に盗聴器や盗撮器を仕掛けても犯罪ではない
  3. 自分名義(共同名義含む)の車に盗聴器を仕掛けても犯罪ではない
  4. 浮気相手の自宅に忍び込み、盗聴器を仕掛けるのは犯罪の可能性がある
  5. 浮気の証拠とする為、話し合いを無断で録音することは犯罪ではない

受信機で盗聴波を盗み聞きする行為

テレビ番組などで受信機を手に盗聴電波を探すといった内容のものが放送されているのを目にしますが、流されている盗聴波を傍受するだけであれば刑法に抵触することはありません。

但し、盗聴にて知り得た内容をもって脅迫や強要を行った場合は、罪に問われることになるので絶対にやめましょう。

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